『鍼灸』の効果とは？コリや筋緊張の改善

こんにちは。滋賀県大津市で鍼灸マッサージ院をしている、このみ治療院の村田です。

鍼灸はどんな効果が期待できるかご存じですか？
鍼灸治療には血行促進、痛みの軽減、リラックス作用など様々な効果があり、自然治癒力の向上にも繋がると考えられています。
ここでは筋緊張やコリ感への【鍼灸】治療の効果と副作用について、書いていきたいと思います。

また、鍼灸について概要をまとめたページもございます。詳しくは、【鍼灸とは】の記事をご覧ください。

鍼灸治療で期待できる効果をご紹介

鍼灸治療では、鍼の刺激とお灸の熱で体に刺激を与えていきます。
それらの刺激によって、筋肉の緩和や血行促進、鎮痛効果などが期待できます。
お灸で使用する艾の材料となるヨモギには、鎮痛、鎮静などに効果的な精油成分が含まれ、殺菌や消毒の作用もあると言われています。

以下が、コリや筋緊張による不調に対して鍼灸治療で期待できる効果になります。

血行が促進する作用

血管の細胞に作用し、血管を拡張させたり、透過性を高めたりするサブスタンスPやCGRP(カルシトニン遺伝子ペプチド)と呼ばれる神経伝達物質が放出され、血流が増加し血行促進がみられます。

鍼を刺した周辺の末梢神経が反応して軸索反射が起こると、血管が拡張し血流の増加によって、痛みのある部位にとどまっていた発痛物質が除去され、鎮痛効果や筋肉の弛緩が期待できます。
鍼を刺した皮膚の周りが、軸索反射の生理反応により血流が増加して赤くなることがありますが、この現象は、俗にフレアと呼ばれています。

灸治療では、温熱効果により筋肉や血管、組織の血流がよくなるため、血行促進が期待できて冷え性、浮腫みなどの症状が緩和され、身体の疲労回復やストレス軽減に役立っています。

鍼灸どちらの治療も、肩こり、首コリ、腰痛など、血流の悪化が関係するタイプの痛みには効果が期待でき、冷え性や浮腫みの軽減や改善効果が期待できます。

筋肉を緩める作用

鍼治療では、交感神経の働きが抑えられ、筋肉の緊張が緩和したり、筋肉の伸長張力が低下することにより関節の可動性や円滑性が増す作用があります。

灸治療では、温熱効果により筋肉の緊張を緩和し、滞っていた血流やリンパの流れも改善され、疲労や冷えの不快感が軽減します。

鎮痛効果

灸で使用する艾(もぐさ)は、ヨモギの葉で作られており、チネオールまたはシオネール(cineole)、ツジョンまたはツヨン(thujone)などの精油成分が含まれ、炎症や痛みを和らげる効果やリラックス・安眠効果の作用があると言われています。

シオネール(cineole)の効能

• 脳を落ち着かせる
• 睡眠を促す
• 交感神経の働きを抑える
• 副交感神経の働きを高める　など

ツヨン(thujone)の効能

• 血液循環の改善
• リラックス効果
• 生理痛の軽減
• 子宮の収縮作用
• 殺菌、防腐効果　など

鍼灸どちらの施術においても、痛みの抑制や筋肉の緊張を緩和させたり、鎮痛効果をもたらすことが期待できます。

鍼灸で免疫機能の増加・活性化

鍼灸治療は、恒常性維持機能(免疫系、自律神経、内分泌系)の向上が期待できます。
鍼をすると血液中の白血球が増加・活性化し、ウィルスや病原菌に対する抵抗力や防御力が向上するという研究結果があります。
白血球は血液成分の一つで身体への異物の侵入に対し体を守ろうと働いてくれます。細菌やウィルス等の異物が体に侵入すると、白血球が増加し異物を細胞内に取り込み無害化します。
鍼が体内に入ると異物の侵入とみなされ、白血球が活性化するため免疫力向上に繋がると考えられています。

灸治療では、施灸した部位に白血球を集め、抗体や補体も併せて呼び寄せることで、白血球の食作用や抗菌作用が強まり、免疫作用を高めると言われています。

鍼灸どちらの治療においても、筋肉の緊張が緩和し血流が促進することで、免疫細胞が身体にいき渡りやすくなり、自然免疫細胞(マクロファージやナチュラルキラー細胞)の活性が向上し、腸内環境が整えられることが期待できます。

鍼灸が自律神経を整える作用

鍼と灸は、どちらにも筋肉の緊張の緩和、血行の改善や呼吸の調整・安定によって自律神経を整える効果があります。

副交感神経を優位にさせることにより血流を改善。

• 不眠、疲労、過度の緊張などの改善。
• 血圧や心拍数が安定する。
• 不安感、イライラ、気分の浮き沈みなどを軽減させ、精神的なリラックスへ導く。
  (艾の香や、温熱感にはリラックス効果もあります。)
• 呼吸の安定
• 胃腸の不調や慢性的な頭痛の改善が期待できる。
• 体内の気・血・水の流れやバランスを整える。(東洋医学の考え方)

鍼灸の副作用

副作用は基本的にありません。身体への負担が少なく、薬物療法のような副作用の心配が少なく安心して受けていただけます。
注意点としては、発熱時、食後すぐ、飲酒後、入浴後などは避けた方がいいと言われています。

鍼治療後の注意点

鍼治療では、刺激の量や体調によっては、施術直後や数時間後または翌日など一時的に身体がだるくなることがあります。
鍼により固まった筋肉が緩んで血流がよくなり身体機能が改善に向けて活動する際に起こる症状で、短時間で落ち着く方や数日かかる方など様々ですが、時間の経過で安定しますのでできるだけリラックスしてゆっくりお過ごしになられることをお勧めします。

鍼施術後のだるさや疲労感は、回数を重ねるうちに鍼に慣れて平気になられる方が多いです。

鍼を刺した皮膚の周りが赤くなることがあります。小さな点のように赤みが残ることもあります。数時間で消えますが、体質や個人差があり目立たなくなるのに1～２日、長いと1週間ほどかかる方もおられます。

また鍼をした日や翌日は、お風呂や運動で体温が上がり血行がよくなった時、鍼を刺した部位が赤い点で現れることもありますが、ケガや傷ができて間もない時も似た現象が出るのと同じように、この反応も数日で消失します。傷跡にもなりませんので心配はいりません。

まれに内出血を起こすこともありますが、少しずつ薄くなり1～2週間くらいで落ち着きます。
内出血の状態によっては、落ち着くのに3週間以上かかる場合もあります。

灸の副作用

施灸後に疲労感、眠気、搔痒感が起こることがあります。灸の種類や刺激によっては、火傷で炎症や水膨れで皮膚が傷つくことがあるため、使い方には十分に気を付けて、心地よく感じる範囲内で使用するのが好ましいです。
(とは言っても、火傷するくらいの熱量のお灸療法もあります。とくに明治、大正、昭和の前半期生まれのお灸経験者のお体には、お灸による火傷の跡が残っておられる方が多くおられます。)

鍼灸治療の効果の持続

鍼灸治療の効果は、体質や施術方法で個人差があり、施術直後の過ごし方で効果の出方が変わることもあります。

鍼治療は、治療を受けてすぐに効果が出る方、数時間～数日かけて出る方、数回の施術で効果が出る方など感じ方は様々で、効果の持続期間はおよそ１～２週間ですが、症状や施術法にもよりケースバイケースです。
治療を繰り返すうちに治療効果の持続期間が長くなっていく傾向があります。
１週間～２週間に1回ペースで数回の治療を受けると変化を実感しやすいです。効果が安定してきたら予防や維持の目的で月に1回のケアにしたり、不調の気配を感じた時にケアしたりなど、鍼灸治療のタイミングは人によって様々です。

病状によっては、初期段階でペースを詰めて施術すると効果が出やすいケースもありますので、頻度についてはご自身のかかっておられる鍼灸院に相談してみてください。

灸治療の効果も鍼治療と同様で、施術後すぐに効果を実感できる方もいますが、数時間～数日かかることがあり、数ヵ月かかる場合もあります。効果の持続期間はおよそ１～２週間ですが、個人差が大きく、症状や体質、治療の頻度などによって異なります。

お灸をする場合は、週に1～2回ほどが目安と一般的に言われています。『お灸100日』と、昔から言われており、３か月ほど継続すると効果を実感しやすくなります。

お灸は、自宅で簡単にセルフ灸ができるので、年齢問わずにお灸愛用者が増えてきているようです。

当院をご利用いただきました方々の感想

緊張からくる痛みやコリ感が不調の原因となっている方は、鍼筋灸治療の最中に「今、筋肉が緩んできたような感じがします」、鍼灸治療の終了後に「鍼灸をした部位が、ポカポカとしてきてきました」なんて言われる方がよくおられます。

や筋緊張などの血流不足からくる痛みへの鍼灸は、痛みの原因となっている筋肉をほぐしたり血行促進が期待でき、痛みやしびれ冷え感の改善や緩和に効果的です。

関節や筋肉の痛み、コリや慢性的な不調がきっかけで鍼灸を受けているうちに、冷えにくい体になった、体が軽くなった、睡眠の質が上がった、疲れにくくなった、食欲が出た等のお話をよく耳にするのは、その効果の表れと考えられます。

鍼灸治療は体に優しいケア

鍼灸の効果については、治療法や流派など多くの施術法があり、まだまだ現在も臨床と研究が続き明らかになっているとは言えないかもしれませんが、世界中で鍼灸の素晴らしさが認められ、スポーツや美容の分野でも鍼灸は欠かせない治療法となっています。

筋緊張・肩コリ・腰痛・関節痛・神経痛などの症状や病に効果が期待でき、血液の循環を良くし自己免疫力を高め活性化させる効果があります。身体の恒常性維持機能を高め、内臓の働きを調節する自律神経を整える働きにより、ストレス緩和や体質改善も期待できると言われています。

体が喜ぶケア、健康維持活動に鍼灸はお勧めです。